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喘息の診断 5)ピークフロー(peak expiratory flow, PEF) ■ピークフローとは ピークフロー(peak expiratory flow, PEF)は肺からの努力性最大呼気流量(最大の吐き出す空気量)は太い気管の閉塞をよく表しています。喘息の日常管理における、気道狭窄の程度をモニターする簡便な指標としてとても大切です。 ピークフローメーターによるピークフロー(PEF)値は1秒量とよく相関し、自宅でも外出先でも測定可能のために、日常の喘息の状態を把握する指標として有用です。 特に症状が悪化する前にピークフロー値が低下することが多く、定期的に測ることで早めに悪化を予測し自己管理や早目の治療を行うことができます。
喘息の管理としては1日2回(起床時、就寝前)、あるいはそれ以上に頻回にピークフローの測定が必要となることがあります。
喘息の発作が起きているような時には、吸入薬を使った後の値も記録しておくと参考になります。
ピークフローの測定は、症状が不安定な場合、入院を繰り返している場合、発作時の自覚症状が少ない場合には必須となります。 喘息における日中夜間の症状やピークフロー値の変動の程度は気道過敏性のレベルを表しています。気道炎症の重症度の指標にもなります。 ■ピークフロー値の日内変動率 1日の最高値−1日の最低値/1日の最高値 ピークフロー値は一般的に午前4時ごろが最低値で、午後4時ごろが最高値をとることが多い。 健常者では日内変動率は10%以内である。ピークフロー値が1日に20%以上変動する場合や、測定したピークフロー値が基準値や自己最高値の80%以下の場合は気道過敏性の上昇や気道の収縮を意味しています。 ■ピークフローの実際 ピークフロー値から自己管理行っていきます。その際にゾーンシステムが有効です。 ■グリーンゾーン(安全域):基準値や自己最高値の80%以上 ■イエローゾーン(注意域):基準値や自己最高値の50〜80% ■レッドゾーン(危険域):基準値や自己最高値の50%以下 グリーンゾーンでは喘息症状がなく、日常生活が可能で睡眠も妨げられない。イエローゾーンでは症状のため日常生活ができないことが多いです。症状が明らかでなくても、ピークフローの低下は発作や増悪を示し、治療薬の増量、追加を検討し、グリーンゾーンに戻すことが必要になります。 外来でスパイロメトリーなどの肺機能検査を実施することが難しくてもピークフロー(PEF)の測定は自宅でも可能であり、診療所や喘息の救急外来においても簡単に行うことができます。 喘息患者の症状は必ずしも肺機能検査の変化に現れないことからも、ピークフローメーターを測定することによって患者自身が状態をより正確に把握することができます。そのため、ピークフロー(PEF)の測定は患者の経過観察や治療効果の測定には有用です。しかし喘息に伴う肺機能、生理機能の詳細な異常にはスパイロメトリーや気道可逆性などの詳しい検査が必要になります。
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