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1 喘息とは 3)喘息の危険因子 喘息は個体因子と環境因子が絡み合って病態を形成します。種々の危険因子が発病および増悪にどの程度関与しているかは人によって様々です。喘息の危険因子は以下のような要素が言われています。
環境因子には喘息になりやすい人の発病に影響する因子(発病因子)とすでに発病してしまった人に対して増悪させる因子(増悪因子)の2つがありますが、いずれも重なっている要因が存在します。
■遺伝子素因 両親に喘息がある時に、喘息の発病リスクは3-5倍高くなります。また双子の兄弟に喘息がいる場合には、他方も喘息を発症するリスクは一卵性で38-62%、二卵性で9-26%と報告されています。 現在、喘息の発病には複数の遺伝子が関与している事が分かっています。第11番染色体の高親和性IgE受容体β鎖遺伝子が喘息やアトピーの関連遺伝子として示されています。 今までの検索で発見された遺伝子はADAM33、ORMDL3、CHI3L1、PDE4D、IL33などがあります。これらの分子は気道上皮、気管支平滑筋、線維芽細胞などの機能に深く関係していることも分かっています。 ■アレルギー素因(アトピー) アレルギー素因(アトピー)は環境アレルゲンへの曝露によってアレルゲンに特異的なIgEを産生しやすい体質のことを言います。 喘息は血清の総IgE値と強く関係しており、IgE値が高くなれば喘息の有病率も高くなることが今までに報告されています。成人喘息患者の約50%がアトピーを持っていると言われています。 ■ウイルス性呼吸器感染症 幼児期のウイルス感染症でよく見られるRSウイルス感染とその後の喘息発病や呼吸機能異常との関連が示されています。 13歳までの追跡調査で、RSウイルスによる細気管支炎が反復する喘鳴、喘息、アレルゲン感作において重要な危険因子とされます。 生後1年以内の頻回な上気道感染により、アトピー性皮膚炎や喘息の発病が予防されるとの報告や、幼児期の呼吸器感染症が喘息発病を防ぐとの報告もあり、ウイルス感染症と喘息発症は今後さらに検討されるべきと考えられます。 ■大気汚染(室内) 室内では建物の機密性が高まり、暖房器具や建材から発生する二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物やホルムアルデヒドなどの室内汚染物質が関係しています。NO2は暖房器具や調理器具が発生源と考えられており、0.6ppmの濃度で気道過敏性を、またハウスダストなどの抗原に対する喘息患者の気道の反応性を亢進させることが報告されいます。 ■喫煙 タバコの煙には4500種類異常の有害物質が確認されています。 粒子層と気層からなり、粒子層にはニコチン、ピレン、ベンゾピレン、エンドトキシンなどが含まれ、気層にはアクロレイン、アセトアルデヒド、シアン化水素、窒素酸化物などが含まれています。 有害物質の多くは、喫煙している人が直接吸う「主流煙」よりも、周りの人が吸ってしまう「副流煙」の方が高い含有量となっています。。 父親か母親のいずれかが喫煙する場合と、両親が喫煙する場合には、両親が吸う方が喘息発病のリスクは増大し、母親の受動喫煙にさらされた小児においてリスクが増大します。 妊婦の喫煙は胎児へのタバコ曝露をもたらし、気道過敏性に影響を与え、出生後の乳児の呼吸機能を低下させることが言われています。 ■鼻炎 アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)はしばしば喘息に合併します。
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