■「喘息ドットコム」〜喘息とは、喘息死、喘息死ゼロ作戦〜■
 


1 喘息とは
 1)喘息の管理
 2)喘息の疫学
 3)喘息の危険因子
 4)喘息の予防
 5)喘息死、喘息死ゼロ作戦

2 喘息の診断
 1)症状
 2)血液検査
 3)喀痰検査
 4)肺機能検査
 5)ピークフロー(PEF)
 6)画像

3 喘息の治療
 1)長期管理薬(コントローラー)
 2)発作治療薬(レリーバー)
 3)ステロイド薬
 4)長時間作用型β2刺激薬
 5)短時間作用型β2刺激薬
 6)テオフィリン製剤
 7)ロイコトリエン受容体拮抗薬
 8)Th2サイトカイン阻害薬
 9)トロンボキサンA2阻害薬

4 喘息発作
 1)家庭での対応
 2)病院での治療
 3)ゾーンシステム

5 特殊な喘息
 1)アスピリン喘息
 2)咳喘息/アトピー咳嗽
 3)運動誘発喘息
 4)高齢者喘息
 5)Churg-Strauss症候群
 6)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
 7)妊娠と喘息
 8)手術と喘息
 9)天気と喘息
 10)上気道疾患と喘息

6 喘息関連トピック
 1)アドエア
 2)ヒト化抗ヒトIgE抗体(ゾレア)
 3)インフルエンザと喘息
 4)シンビコート

7 喘息関連リンク

8 喘息関連文献

9 喘息ドットコムショップ
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1 喘息とは
5)喘息死、喘息死ゼロ作戦
 
■喘息死

 日本での喘息による死亡は厚生労働省人口動態統計でみると、順調に減少し、2008年では人口10万人に対して年間1.9(男性1.8、女性2.0)となっています。

 しかし、今の時代においても年間2000人もの方が喘息で悲しい転機を迎えているということを覚えておく必要があります。

 成人喘息死は発作開始後1時間以内の急死が13%、3時間以内とすると30%となっています。 しかしながら、喘息死の解剖による検討では、臨床的に「急死」でも、気道は慢性的に喘息による炎症が存在し、それが悪化した結果であることが分かっています。

 つまり、日常の喘息の管理が不十分な場合に、喘息死につながるような発作を誘発する原因となりうるとされています。

 死に至る発作の誘因としては気道感染が最も多く、過労やストレスがそれに続きます。他にも薬剤の不用意な中止やβ2刺激薬の過剰使用、ステロイドの突然の中止、減量、アスピリンやNSAIDsの投与、β遮断薬の投与などがあります。

 危険因子として喘息死患者の半数に過去に重篤な発作を経験しており、26%で高度な致死的発作の過去があります。合併症として20%に肺気腫などのCOPDが認められています。

■喘息死ゼロ作戦

 厚生労働省では喘息死は防止できることを前提に「喘息死ゼロ作戦」を推進しています。 各都道府県で、全国で喘息死が「ゼロ」になるように本作戦に参加することが望まれています。

 これまでの調査で都道府県別の喘息の死亡率には大きくばらつきが見られることが分かっています。

 2004年の調査では10万人当たりの死亡率が全国平均が2.6人であるのに対し、4.0人以上のところは、多い県から鹿児島、徳島、愛媛、鳥取、岡山、高知、長崎、沖縄である。3.0-4.0人のところは、北から岩手、秋田、山形、福島、茨城、山梨、富山、石川、福井、島根、山口、香川、佐賀、熊本、宮崎が該当しています。

 「喘息死ゼロ作戦」では、地域の関係者が連携して、病診連携の構築や普及啓発、患者の自己管理の徹底を図り、医療の質の向上を図るための取り組みです。

 最も重要なことはEBM(evidence based medicine)をベースに作成されたガイドラインに沿った喘息治療の普及です。特に吸入ステロイド(ICS)を第一選択薬とする長期管理を、地域のかかりつけ医において実施すること、患者が普段から自己管理を行うこと、適切な急性増悪に対する対応を行うことが標準的な治療法とされています。

 @患者教育

  患者、家族、教育関係者など、喘息患者を取り巻く方々に対して、喘息で死亡することがあることを周知させ、

 ・発作の程度に応じた対応

 ・PEFモニタリングの勧め

 ・喘息日誌の記載、意義

 ・喘息治療薬の指導

を徹底させる。

 A急性発作への対応

 B長期管理の徹底

→1)喘息の管理 →4)喘息の予防
→2)喘息の疫学 →5)喘息死、喘息死ゼロ作戦
→3)喘息の危険因子  

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