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1 喘息とは

  喘息(ぜんそく)は、「喘息予防・管理ガイドライン2009年度版」によると、「気道の慢性炎症と種々の程度の気道狭窄と気道過敏性の亢進、そして臨床的には繰り返し起こる咳、喘鳴、呼吸困難で特徴づけられる。気道狭窄は自然に、あるいは治療により可逆性を示す」とされています。

 症状としては繰り返して起こる咳、喘鳴(ひゅーひゅー)、呼吸困難(息苦しさ)が特徴的です。生理学的には可逆性のある気道狭窄と気道過敏性の亢進が特徴的です。症状が明らかでなくても気道の過敏性は認めることが多いと言われております。

 組織学的には気道の炎症が特徴的で、好酸球、T細胞、マスト細胞などの浸潤と気道上皮の剥離を伴う気道の炎症が見られます。 下にアレルギー性喘息の即時型反応immediate asthmatic response(IAR)のモデルを示します。


 「気道炎症」とは様々な外的、内的刺激によって引き起こされる気道の組織障害に対する生体反応です。抗原が初めて体内に侵入するとまず樹状細胞(dendritic cell)によって取り込まれ、T細胞(Th2細胞)に対して抗原提示されます。T細胞はIL-4、IL-13などのTh2サイトカインを産生し、B細胞からのIgE産生を促します。2回目以降に抗原が侵入する時には抗原特異的IgEが好塩基球やマスト細胞には高親和性IgE受容体(FcεRI)や好酸球の低親和性IgE受容体(FcεRII)に結合しているために、早期にIgEと抗原が反応し、ヒスタミンやロイコトリエン(CysLTs)、プロスタグランジンD2(PGD2)などの炎症メディエーターが放出されます。

 これらのメディエーターは平滑筋の収縮とともに血管透過性を亢進させ、気道粘膜の浮腫をきたします。これを即時型反応 immediate asthmatic response(IAR)といい、抗原曝露から15-30分以内に起こります。

 免疫学的には環境アレルゲンに対するIgE抗体が存在 しますが、IgEを持たない人でも同様の気道炎症とT細胞の活性化を認めることがあります。

 長期に渡って喘息に罹患している人では気道上皮基底膜直下の線維化、平滑筋の肥厚、粘膜下腺の過形成からなる気道のリモデリングが見られる。非可逆的な気流制限と持続的な気道過敏性の亢進をもたらし、喘息が難治化する原因になると考えられています。

 小児喘息では思春期になると寛解する人が多く認められます。

 
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