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6 喘息関連トピック 4)吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬合剤(シムビコート) シムビコート symbicortは2010年1月に発売された新しい吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬合剤です。吸入ステロイドであるパルミコートと気管支拡張薬である長時間作用型β2刺激薬のフォルモテロールが合わさった吸入剤です。 海外ではすでに以前から販売されており、アドエア同様にステロイドの成分とβ2刺激薬の療法を同時に吸入できる利点があります。 シムビコートは吸入後すぐに効果を示すことから発作治療薬にも使用できるとしてコントローラーとレリーバーの両側面からの作用があるとして期待されております。しかしながら、一部に発作時には短時間作用型のβ2刺激薬でコントロールすべきであるとの意見もあり、販売後の動向に注意する必要があります。 シムビコートに含まれるブデソニドやフォルモテロールの有効粒子径は2.4-2.5μmであり、中枢気道から末梢気道まで、肺全体に幅広く分布することが証明されています。 また、シムビコートは親水性の高いブデソニドが含まれており、粘液層を通過しやすいために、喘息の発作時で粘液が大量に分泌している際にも効率よく炎症細胞に到達します。
ブデソニドは炎症細胞に取り込まれた後に、エステル化することにより不活化し、徐々に効果が出てくるために、抗炎症効果が持続します。 さらにブデソニドはβ2受容体を増加させることで強力な気管支拡張効果を発揮します。 β2刺激薬であるフォルモテロールは、親水性領域と脂溶性領域のバランスが整っており、効果発現が早い上に、効果が長時間持続することが分かっています。また、ブデソニドのステロイド受容体との結合を促進したり、核移行を促進したりします。 シムビコート symbicortは吸入ステロイド(ICS)であるブデソニドから強力な抗炎症効果を発揮し気道の炎症を取り除きます。また長時間作用型β2刺激薬(LABA)であるフォルモテロールから速やかかつ優れた気管支拡張効果を発揮し気道の狭窄を取り除くことが特徴です。それぞれ互いの作用を増強する相乗効果もあって、1剤で医師、患者の両方の治療ニーズを満たすことができる優れた薬剤となっています。 STRONG & SPEEDYをキャッチフレーズに非常に使い勝手のいい薬剤の印象があります。 |
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