■「喘息ドットコム」〜喘息関連トピック、シムビコート〜■
 


1 喘息とは
 1)喘息の管理
 2)喘息の疫学
 3)喘息の危険因子
 4)喘息の予防
 5)喘息死、喘息死ゼロ作戦

2 喘息の診断
 1)症状
 2)血液検査
 3)喀痰検査
 4)肺機能検査
 5)ピークフロー(PEF)
 6)画像

3 喘息の治療
 1)長期管理薬(コントローラー)
 2)発作治療薬(レリーバー)
 3)ステロイド薬
 4)長時間作用型β2刺激薬
 5)短時間作用型β2刺激薬
 6)テオフィリン製剤
 7)ロイコトリエン受容体拮抗薬
 8)Th2サイトカイン阻害薬
 9)トロンボキサンA2阻害薬

4 喘息発作
 1)家庭での対応
 2)病院での治療
 3)ゾーンシステム

5 特殊な喘息
 1)アスピリン喘息
 2)咳喘息/アトピー咳嗽
 3)運動誘発喘息
 4)高齢者喘息
 5)Churg-Strauss症候群
 6)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
 7)妊娠と喘息
 8)手術と喘息
 9)天気と喘息
 10)上気道疾患と喘息

6 喘息関連トピック
 1)アドエア
 2)ヒト化抗ヒトIgE抗体(ゾレア)
 3)インフルエンザと喘息
 4)シンビコート

7 喘息関連リンク

8 喘息関連文献

9 喘息ドットコムショップ
 ■ピークフローメーター
 ■スパイロメーター
 ■パルスオキシメーター

★ 喘息診療日記

★ 当サイトへメール

6 喘息関連トピック
4)吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬合剤(シムビコート)

 シムビコート symbicortは2010年1月に発売された新しい吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬合剤です。吸入ステロイドであるパルミコートと気管支拡張薬である長時間作用型β2刺激薬のフォルモテロールが合わさった吸入剤です。

 海外ではすでに以前から販売されており、アドエア同様にステロイドの成分とβ2刺激薬の療法を同時に吸入できる利点があります。

 シムビコートは吸入後すぐに効果を示すことから発作治療薬にも使用できるとしてコントローラーとレリーバーの両側面からの作用があるとして期待されております。しかしながら、一部に発作時には短時間作用型のβ2刺激薬でコントロールすべきであるとの意見もあり、販売後の動向に注意する必要があります。

 シムビコートに含まれるブデソニドやフォルモテロールの有効粒子径は2.4-2.5μmであり、中枢気道から末梢気道まで、肺全体に幅広く分布することが証明されています。

 また、シムビコートは親水性の高いブデソニドが含まれており、粘液層を通過しやすいために、喘息の発作時で粘液が大量に分泌している際にも効率よく炎症細胞に到達します。

 

吸入ステロイド 水への溶解度(μg/ml) 溶解時間
ブデソニド 16 6分
ベクロメタゾン 0.1未満 5時間以上
シクレソニド 0.1未満 データなし
フルチカゾン 0.1未満 8時間以上
モメタゾン 0.1未満 データなし

 ブデソニドは炎症細胞に取り込まれた後に、エステル化することにより不活化し、徐々に効果が出てくるために、抗炎症効果が持続します。

 さらにブデソニドはβ2受容体を増加させることで強力な気管支拡張効果を発揮します。

 β2刺激薬であるフォルモテロールは、親水性領域と脂溶性領域のバランスが整っており、効果発現が早い上に、効果が長時間持続することが分かっています。また、ブデソニドのステロイド受容体との結合を促進したり、核移行を促進したりします。

 シムビコート symbicortは吸入ステロイド(ICS)であるブデソニドから強力な抗炎症効果を発揮し気道の炎症を取り除きます。また長時間作用型β2刺激薬(LABA)であるフォルモテロールから速やかかつ優れた気管支拡張効果を発揮し気道の狭窄を取り除くことが特徴です。それぞれ互いの作用を増強する相乗効果もあって、1剤で医師、患者の両方の治療ニーズを満たすことができる優れた薬剤となっています。

 STRONG & SPEEDYをキャッチフレーズに非常に使い勝手のいい薬剤の印象があります。


-喘息ドットコム-
Copyright (C) 2009 Asthma-Asthma.com. All Rights Reserved.