1 喘息とは 1)喘息の管理 2)喘息の疫学 3)喘息の危険因子 4)喘息の予防 5)喘息死、喘息死ゼロ作戦 2 喘息の診断 3 喘息の治療 4 喘息発作 5 特殊な喘息 6 喘息関連トピック 7 喘息関連リンク 8 喘息関連文献 9 喘息ドットコムショップ ★ 喘息診療日記 ★ 当サイトへメール |
6 喘息関連トピック 1)吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬合剤(アドエア) 吸入ステロイドinhaled corticosteroid(ICS)と長時間作用型β2刺激薬(LABA)はいずれも気管支喘息や肺気腫などのCOPDの治療に使われています。 近年、日本においても両者の合剤が使われるようになってきました。 現在、長時間作用型β2刺激薬にはサルメテロールとファルモテロールの2種類があります。これらの薬は吸入すると気道に分布し、気道の平滑筋に長く留まることで長時間効果を発揮します。β2刺激薬はステロイド受容体の核内移行を増加し、遺伝子転写を促進することによりステロイドの作用を相加的に増強することが報告されています。 喘息は気道の慢性炎症が病気の本態であり、治療の第一選択は吸入ステロイドになります。しかし、中等度以上の症状が出ている場合には吸入ステロイドの増量ではコントロールできないことがあります。 最近の研究では吸入ステロイドの増量よりも、β2刺激薬(LABA)を併用した方が良好なコントロールが得られたと報告されています。 その証拠として喘息に対する吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬合剤の効果についての「GOAL study」と名付けられた研究が報告されています。合剤と吸入ステロイド単剤との比較試験が行われ、約40%において良好なコントロールが得られ ました。結論として合剤では吸入ステロイド単独に比べてより少ないステロイドの量でコントロールを達成できたと報告されました。 また、合剤は1回の吸入でステロイドとβ2刺激薬が吸入され、吸入の回数が少なくなるためにコンプライアンスの向上もコントロール良好な理由の1つとして考えられています。 日本では吸入ステロイドであるフルチカゾン(FP)と長時間作用型β2刺激薬のサルメテロールの配合剤である「アドエア」(グラクソスミスクライン)が臨床的に使われています。欧米ではブデソニド(BUD)とβ2刺激薬のファルモテロールの合剤である「シンビコート」も臨床で使われていますが、2010年1月からも日本で使えるようになっています。 |
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