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 喘息発作

 「喘息発作(喘息増悪)」とは呼吸困難、喘鳴、咳などの喘息症状が急速進行性に悪化することを言います。本人が自覚症状の程度は増悪の指標になりますが、症状と比較して肺機能が極端に低下していることがあるために注意が必要なことがあります。

 増悪は数日から数時間かけて起こることが多いですが、数分の間に急激な悪化をきたす場合もあります。発作の程度も家庭での対応で治すことができる発作から、病院で集中治療を行っても死に至る発作までさまざまです。

 喘息発作の管理において適切な初期評価と初期治療がとても大事になります。初期評価ではほかの呼吸困難を起こす病気としっかり鑑別することや発作の程度を把握することが重要になります。初期治療では低酸素(息苦しさ)と気流制限(ヒューヒュー)を早くに改善することが重要になります。

 緩徐発症型は好酸球性炎症が主体であり、急性発症型は好中球性炎症が主体であるとの報告があります。

 増悪には治療因子としての吸入ステロイドなどの薬剤不足、うつ状態などの心理的要因、ピークフロー(PEF)モニタリングの欠如、薬剤アドヒアランスの不足、患者の重症度の認識不足などがあり、悪化因子には感染症、抗原への曝露、解熱鎮痛薬の不用意な投与などがあります。

 発作治療の前に、

 @効率的な問診:重症発作の既往、ステロイドに対するアレルギーの有無、テオフィリンの使用

 A的確な重症度の把握:呼吸状態、喘鳴、バイタル、パルスオキシメーター、意識レベルなど

をしっかりとらえることが重要となります。

 重症発作の対応としては、

 @薬物療法:短時間作用型β2刺激薬吸入、ステロイド、テオフィリン点滴

 A酸素投与

 B補助呼吸:非侵襲的陽圧換気、気管挿管など

が挙げられます。

■喘息症状、発作強度の分類

発作強度 呼吸困難 動作 %PEF SpO2 PaO2 PaCO2
喘鳴
胸苦しい
急ぐと苦しい
動くと苦しい
ほぼ普通 80%以上 96%以上 正常 45torr未満
軽度
(小発作)
苦しいが横になれる やや困難
中等度
(中発作)
苦しくて横になれない かなり困難、かろうじて歩ける 60〜80% 91〜95% 60torr超 45torr未満
高度
(大発作)
苦しくて動けない 歩行不能
会話困難
60%未満 90%以下 60torr以下 45torr以上
重篤 呼吸減弱
チアノーゼ
呼吸停止
会話不能
体動不能、錯乱、意識障害、失禁
測定不能 90%以下 60torr以下 45torr以上

 喘息発作強度の分類を上記に示します。発作強度と呼吸困難に対しては分かりやすいために発作強度を判定する上で有用になります。

→1)家庭での対応 →3)ゾーンシステム
→2)病院での治療  

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