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 5)Churg-Strauss症候群
 6)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
 7)妊娠と喘息
 8)手術と喘息
 9)天気と喘息
 10)上気道疾患と喘息

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  特殊な喘息
7)妊娠と喘息

 近年、成人喘息の有症率が3%程度まで上昇していることが報告され、喘息と妊娠も重大な問題になってくることが予想されます。

 妊娠により、喘息症状が軽快する場合、変わらない場合、悪化する場合がそれぞれ同等の割合で起こります。喘息症状が増悪する原因として、喘息に使っている治療薬が胎児に影響するのではないかと心配になり服用を中止、減量してしまうことが考えられています。

 妊婦の喘息に対しては吸入ステロイド(ICS)を中心とした長期管理薬をしっかり使うことで、日常の喘息のコントロールを良くすることが重要になります。

 妊娠中には、吸入ステロイド、β2刺激薬、テオフィリン製剤、クロモグリク酸ナトリウム(DSCG)がほぼ安全に使用できるとされています。

 吸入ステロイドはどの製剤も妊婦に使用可能であるが、唯一パルミコート(ブデソニド)のみがより安全との評価になっています。

 経口のステロイド薬は低体重出産、早産、子癇前症の頻度が増加するとの報告があり、最小限に使用を留めるか、急性増悪時のみ適切に使う必要があります。

 β2刺激薬、テオフィリン製剤は催奇形性の報告はなく安全とされています。

 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は動物実験レベルでは安全とされていますが、人間に対するデータがなく、有益性が上回る場合のみの投与が推奨されています。

 発作がある場合には、低酸素が胎児に悪影響を及ぼすため、早めに医療機関を受診することが勧められます。エピネフリン(ボスミン)は極力使用せず、酸素飽和度を95%以上に保ち、胎児モニタリングを行う必要があります。

 陣痛促進薬として使用されるプロスタグランジンF2は気管支平滑筋収縮作用があるため、気管支喘息に対しては使用できず、オキシトシンを使用することになります。

 喘息発作のコントロールが不十分の場合や、分娩遷延がみられ、胎児に異常が認められる場合には速やかに帝王切開が検討されます。

 いずれにしても喘息、妊娠の知識が大事となり、内科、産婦人科ともに連携する必要があります。

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