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  特殊な喘息
10)上気道疾患と喘息

 鼻腔や副鼻腔を含む上気道から、気管支を中心とする下気道は関連性を持って、互いに影響することから「one airway, one disease」という概念が最近提唱されています。

 アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis、AR)は成人喘息患者の約6-8割、小児喘息の約8割に合併していると言われています。

 近年の研究でアレルギー性鼻炎と気管支喘息の共通性が指摘されています。

 急性期の症状に関係する即時型アレルギー反応(IAR)のみならず、慢性炎症に影響するメディエーターの関与が報告されています。ヒスタミンやシステイニルロイコトリエン(CysLT)、トロンボキサン、Th2サイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13など)、ケモカイン(RANTES、eotaxinなど)、接着分子(ICAMなど)がいずれの疾患にも共通して炎症を起こすと考えられています。

 そのため、一部の抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬はアレルギー性鼻炎にも気管支喘息にも有効な薬と考えられます。特にロイコトリエン受容体拮抗薬は吸入ステロイド(ICS)にもβ2刺激薬にもプラスになる作用が知られています。

 アレルギー性鼻炎に対するステロイド治療や抗アレルギー剤による治療で喘息の症状が緩和されたり、副鼻腔炎(蓄膿症)に対するレーザー治療で喘息の症状が改善したりすることがあります。アレルギー性鼻炎を持っている喘息の方で、鼻炎に対する治療を行っている方の方が、治療を行っていない方に比べて発作の頻度が少ないことも知られています。

 アレルギー性鼻炎は耳鼻科、気管支喘息は内科と違う部門で治療していることが多いかと思います。いずれの疾患も共通する病態があり、耳鼻科、内科での連携が大事になってきます。

 特に内科では「one airway, one disease」を考え、気管支喘息に伴うアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎にも注目し、診断、治療を考える必要があります。もちろん内科的な治療が困難な場合には、早い段階から耳鼻科の診察、加療と、一緒に見ていくべきと考えます。

→1)アスピリン喘息 →7)妊娠と喘息
→2)咳喘息/アトピー咳嗽 →8)手術と喘息
→3)運動誘発喘息 →9)天気と喘息
→4)高齢者喘息 →10)上気道疾患と喘息
→5)Churg-Strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)
→6)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

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